2009年9月8日火曜日

asahi shohyo 書評

一七世紀の光—オランダ建築画の巨匠サーンレダム [著]持田季未子

[掲載]2009年9月6日

  経済的に繁栄し自由を享受した17世紀の黄金期オランダで、レンブラントやフェルメールらに劣らぬ画家がいたという。自然光を重視した独特の色調、正確な 遠近法で街に残る中世の教会や教会内部図を描き続けたピーテル・サーンレダム(1597〜1665)。彼の建築画には明晰(めいせき)な幾何学美、永遠 性、官能性があり、合理性への信頼は哲学者スピノザの指向と共通すると著者。またロラン・バルトは人気(ひとけ)のない絵を「きわめて現代的な沈黙の美 学」と評したという。19世紀末に西欧で再発見され、日本ではほとんど未知の画家と作品が、本邦初という評伝で明らかにされる。

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