2009年1月14日水曜日

asahi shohyo 書評

アラブ人の心をつかむ交渉術 [著]郡司みさお

[掲載]2009年1月11日

  • [評者]加藤出(エコノミスト)

■価値観やタブーなどを解説

 金融危機や原油価格急落により、湾岸諸国の経済発展は一時の勢いを失っている。しかし、アラブ世界の人々と日本人が交流する機会は、今後も増加していくものと思われる。

 「いや応なくグローバル化の波が押し寄せる今、アラブ人を知らないと損をする」と著者は主張している。彼らの価値観、宗教行事、商慣習、時間感覚、タブーなどを本書は解説する。

 一般的に日本人、日本文化はアラブ人に好かれているらしい。その利点を生かした「アラブ人と会話がはずむ旬の話題集」によれば、若い世代には、漫画(「キャプテン翼」など)、ゲームソフト、日本製4WD車の話題がウケるという。

 ペルシャ湾岸から北アフリカにかけてのエリア別アラブ人の特徴、「ビジネスシーンでの実践! 練習問題集」も掲載されている。 ハウツー本的な演出だが、著者のアラブ人に対する愛情が背景に感じられる本である。「お互いを知ることによって、ささいな誤解から生じる争い事が少しでも 減っていくことを願ってやまない」と著者は言う。

 アラブ人との商談は、犬模様のネクタイをしたり、足の裏を見せたりするだけで壊れる恐れがあるという。先日、イラクで記者が「犬め!」と叫びながらブッシュ米大統領に靴を投げた事件があった。その行為は最大限の侮辱行為であったことが理解できる。

表紙画像

アラブ人の心をつかむ交渉術

著者:郡司 みさお

出版社:河出書房新社   価格:¥ 1,365

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