「海の宝石」ウミウシ輝く丑年 ペットに、写真集に
初めて見るウミウシに見入る子どもたち=長崎市宿町の長崎ペンギン水族館
サキシマミノウミウシ=長崎ペンギン水族館提供
ニシキウミウシ=長崎ペンギン水族館提供
セスジミノウミウシ=長崎ペンギン水族館提供
イガグリウミウシ=長崎ペンギン水族館提供
アオウミウシ=長崎ペンギン水族館提供
チシオウミウシ=長崎ペンギン水族館提供
ウミウシが人気を集めている。世界中で数千種類もいるとされ、ダイバーたちに愛されてきたが、最近では「海の宝石」と例えられる色鮮やかな外見が広く知 られるようになり、ペットショップやインターネットでも販売されるようになった。写真集やホームページも評判を呼んでいる。丑(うし)年の今年は、さらに 盛り上がりそうだ。
写真集「不思議ないきもの ウミウシ」(二見書房)は07年7月の発売以来、1万1千部を売り上げた。米田郷之編集長は「まさかここまで売れるとは思わなかった。想像以上の美しさが受け入れられたのでは」と驚く。
著者の今本淳さん(41)は03年、ウミウシ好きが高じて神奈川県から鹿児島県・奄美大島に移り住んだ。病院勤務のかたわら、写真を撮り続けている。今年は2冊目の写真集やDVDを発表予定だ。
インターネット上の「ウミウシ図鑑.com」(http://www.umiushi-zukan.com/main/top.php)は1日に 約500人が訪れる。管理人で東京都多摩市の赤坂克也さん(36)はダイビング中、牛のようにゆったりと動くウミウシと出会った。水中カメラを始めたばか りの赤坂さんのペースに合わせてくれるのは、ウミウシしかいなかった。いつの間にか美しさに魅せられ、「初心者でもわかるデータベースを作りたい」とホー ムページを立ち上げた。
現在は、会員約600人が1万2千枚以上の写真を投稿している。色や名前、観察地などから写真を検索できる。ウミウシを撮影したファンが、分類などを尋ねる情報交換の場にもなっている。
無脊椎(せきつい)動物の研究者を助成する水産無脊椎動物研究所の池田友之事務局長は「意外に小さくて手頃のサイズと、色彩が豊かで可愛らしい姿が一般の人にも受け入れられたのでは」と分析する。
今年は、干支(えと)にちなんだ展示を企画する水族館も多い。長崎市の長崎ペンギン水族館では、25種類約100匹を紹介している。
ペットショップやインターネットでの価格は500〜3千円ほどが中心で、色鮮やかなものほど高額。アクアカルチャーコーラルショップ(沖縄県浦添市)では、昨年ごろから人気に火がつき、約10種類を販売している。
■飼育は至難の業
千葉大学理学部の平野義明准教授によると、何を食べるか解明されていなかったり、餌の入手が難しかったりする例が多い。水族館でさえ長期の飼育はなかな かできないという。だからこそ一般に目に触れる機会が少なく、ダイバー以外には注目されることがなかったとも言える。平野さんは「認知が広がるのは良いこ とだが、乱獲や外来種が海に戻されると、どういう影響が出るのかわからない」と、人気が高まることによる生態系の乱れを心配している。(阿部朋美)
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■ウミウシ 世界中に生息し、日本は最大の生息地の一つ。巻き貝と同じ軟体動物門の腹足綱(ふくそくこう)に分類されるが、殻が退化し、とても薄 い殻か体の一部に小さな殻が残るのみ。体長は数ミリから数十センチ以上と幅広い。外敵に食べられないように、毒性のあるものを食べる種もいる。そのため味 はまずく、一般に食用には適さない。
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