2009年10月5日月曜日

yomiuri science biology honey bee mitsubachi hatarakibachi joou

働きバチも産卵・子育て…女王と対立抗争?

 女王だけが子孫を残し、他のメスは働きバチとして集団を営むとされるミツバチの中で、働きバチの一部が自ら卵を産みオスバチを孵(かえ)して育てていることを、ブラジル・サンパウロ大のグループが明らかにした。

 女王側は卵を持つ働きバチを殺すなどして統率を図っているが、以前の女王の娘だった働きバチに、現女王の娘も加わり、群れのオスのうち4分の1を 占める集団を築いていた。このような内部抗争は、病気や環境急変による危機を乗り切るため多様な遺伝子を残すのに貢献しているらしい。英国の専門誌に発表 した。

 ミツバチは女王1匹と数千〜数万の働きバチ、その1割のオスで群れを構成。オスは働かず、女王と1回だけ交尾し生涯を閉じる。

 グループは南米に住む「ハリナシバチ」の一種を調査。45個の巣からオス計576匹を採取、遺伝子を調べた。その結果、77%は現在の女王の息子だったが、4%は女王が産んだ働きバチの子で、残り19%は、以前の女王が産んだ前政権の働きバチの子と推計した。

 働きバチは、単為生殖で卵を産みオスのみを孵すことが可能。女王側は、卵を抱えた働きバチを女王が食べたり、卵を体制側の働きバチが食べたりして 組織防衛。一方、卵を産む働きバチは仕事はせず、自ら産んだオスの数を維持することに専念し、平均的な働きバチの3倍長生きしていた。

(2009年10月5日09時23分  読売新聞)



0 件のコメント: