2009年10月4日日曜日

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海女:「無形世界遺産登録を」三重・鳥羽でフォーラム

「海女歌」を歌うオ・ヨンスさん(左)に合わせ手拍子をする海女たち=三重県鳥羽市の海の博物館で2009年10月3日、林一茂撮影
「海女歌」を歌うオ・ヨンスさん(左)に合わせ手拍子をする海女たち=三重県鳥羽市の海の博物館で2009年10月3日、林一茂撮影

 日本各地と韓国・済州島の海女が集まった初めての「日本列島"海女さん"大集合−海女フォーラム・第1回鳥羽大会」(鳥羽市など主催)が3日、三 重県鳥羽市浦村町の海の博物館で開かれた。参加した海女から磯場の荒廃と後継者不足を訴える声が相次ぎ、海女文化を守るためにも「無形世界遺産登録」を目 指そうと呼び掛けた大会アピールを採択した。

 「北限の海女」とされる岩手県久慈市から熊本県天草市まで国内10地域と韓国・済州島の海女計64人を含む210人余が参加、各地の海女たちから海と海女漁を巡る現状報告があった。

 済州島で海女歴40年を誇るオ・ヨンスさん(54)は「海女も減り海の汚染も進む。数十人の海女が潜ってもアワビが2、3個取れるだけ」と嘆い た。「以前はたくさんの海女がいたが今は私を含め2人だけ」(福岡県宗像市)「磯場が荒れ、アワビやサザエが育たない」(三重県志摩市)−−など厳しい状 況が報告された。

 一方、千葉県白浜町から参加した海女、鈴木直美さん(42)は「生まれも育ちも東京だけど、海の仕事が大好きで移り住み、5月から海女漁に従事し ている」と報告。久慈市の海女は「25年ぶりに新人海女が誕生した」と話し、会場は拍手に包まれた。海の博物館の石原義剛館長は「世界遺産登録を合言葉 に、海の環境保全と海女漁資源の回復育成を図りたい」と話している。【林一茂】

毎日新聞 2009年10月4日 1時44分(最終更新 10月4日 2時02分)



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