草食性恐竜の化石、新種と確認 石川・白山で98年発見
「アルバロフォサウルス・ヤマグチオロウム」の想像図=大橋智之・東大特任研究員提供
新種と判明した恐竜化石。左下があごの部分=石川県白山市
石川県白山市桑島の白亜紀初頭(約1億3千万年前)の地層「桑島化石壁」で1998年に見つかった草食性恐竜の化石が、新種の恐竜として米国の古脊椎(せきつい)動物学会誌で報告された。白山市教委が5日発表した。国内の恐竜化石が新種と認められるのは4例目という。
調査した大橋智之・東大特任研究員(古脊椎動物学)と英国人研究者が連名で論文を発表した。学名は「アルバロフォサウルス・ヤマグチオロウム」。地元で 長く化石調査に貢献してきた県立白山ろく民俗資料館館長の山口一男さん、調査補助員の山口ミキ子さんにちなみ命名された。
化石は、縦約10センチ、横約15センチ、奥行き約5センチの石の中に、あごの上下部分と歯、目の周りの骨など11個が含まれていた。歯は鋭く突き出し、細い筋状の線が刻まれていた。恐竜の全長は約1.3メートルと推定される。
当初は小型の鳥脚類(二脚歩行の草食恐竜)と考えられた。しかし、歯の表面の膨らみが、イグアノドンなどの鳥脚類と、トリケラトプスなど大型で四 脚歩行の角竜類のどちらにも似た形状だった。鳥脚類、角竜類がそれぞれ特徴的な姿に進化する以前の古い姿を残した恐竜と判断したという。
国立科学博物館の真鍋真・研究主幹(古脊椎動物学)は「角竜類は鳥脚類から分岐して、ジュラ紀後期から白亜紀前期(約1億6千万年〜1億年前)にアジアで生まれたというのが有力な説。今回の新種発見は、その枝分かれの解明に役立つのでは」と話している。
化石は10〜25日、白山市の「白山恐竜パーク白峰」で公開される。(加藤藍子)
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